みんなどんなことで悩んでいるんだろう?
自分の悩みって他に人は感じてないのかな?
と思う時はありませんか?
人の悩みを聞く機会って案外ないですよね。セクマイの悩みって親しい人にしか言えなかったり、親しくてもなかなか言えなかったりすると思います。
おそらくそういう事情から、結構はじめましての人からSNSで相談を受ける機会が多いんです。
「こんなことがありました。どうしたらいいですか?」
みたいな。
私自身みなさんの悩みを聞いて、「あぁこんなことで悩んでいるんだな」と勉強になったりしています。
だからきっとこれをみんなで共有して考えてみれば、いい機会になるんじゃ…と思って企画してみました。
今回はそのときの様子を書いていきますね!
さっそく、まいりましょう!
寄せられた悩みは…
ということで会の開催前にSNSで事前に悩みを募集したところ…9個の悩みが集まりました。
- お人よしすぎる
- ネット、SNSの誹謗中傷
- 顔をさらされてしまった場合の対処法
- ホルモン治療している人は精神ダメージある? どうやって解決してる?
- 自分の子供にカミングアウトするタイミング
- 容姿について言われた時の対処法
- 好きな恰好、好きな髪型でいるのに男として見られる。たまたまそれが男っぽいだけなのに。
- 自分は男になりたい女。男になりたいのか分からなくなることがある。でも男が好き。
- カムアウトしていない友達と話すのに壁を感じてツライ。恋バナは特に…
セクマイ特有のものから、SNS上のものだったりと様々なものが寄せられました。みなさん色んなことに悩んでおられるんだなぁと…改めて思いました。
今回は11名の方に参加してもらって、3名~4名程度のグループを作ってそれぞれ悩みを考えてもらいました。
1回目は①~③、2回目は④~⑥、3回目は⑦~⑨というような感じで。では、それぞれで出た答えと、私の意見をお話ししていきますね!
①お人よしすぎる
- 断る勇気を持つ。思いやりや優しさは大切にしながら、自分のことも大切にできたらよい。ちょいお人好しくらいがいい。
- 周りの目を気にしてしまったり、周りの空気を気にしたりして、自分の意見を言えない事が心に溜まりすぎて、お人よし「すぎる」の「すぎる」って思ってしまうのではないか。自分の心の声を外に出す勇気が大切なのではないか。
- お人よしすぎる事で何に悩んでいるのかが問題
- どうしても無理な時は体調不良を理由に断る。
という意見がでました。
ここに出ている意見と同じように、私も「すぎる」というところがポイントかなぁと思っていて。これって自分の意に反しているから感じることだと思うんですよね。確かにいい人でいることは大事だとは思うのですが、「都合のいい人」になってしまっては自分が辛くなるばかりです。
どうして「すぎる」と感じてしまっているのかを一度考えてみるといいかもしれません。何かムリをしていることがないでしょうか?そのムリな部分を少しずつ取り除いていって、人への優しさと自分への優しさのバランスをとるようにしてあげるといいのかなと思います。
②ネット、SNSの誹謗中傷
- 自分がどんな人か知ってる人から自分のため思って直接言われる言葉以外、真に受けない。SNSやネットの誹謗中傷は、大体、自分のことをよく知りもしない人が言ってるのだから真に受けないこと。自分に自信をつけること。ブロックなどで対処する。
- 今は、ネットの時代なので、これは社会全体で多くなってるんじゃないか。傷つく。LGBTQに限らず、誹謗中傷は傷つく。自分の身になって思うと、心のダメージがかなり大きく傷つくなって思う。一度その場を切り離して信頼できる人と話をするなどコミュニケーションをとる事で心の傷もだんだんなくなっていくのではないか。
- その人が例えば友人であるとしたら、マメに連絡を取ったり、孤立させないようにする
- 気にしないようにする。報告やブロックをする。SNSから離れてみる。
こんな意見が出ました。
ここの意見に出ていることと被りますが…
- 物理的な距離をとる(削除依頼やブロックなどの措置)
- 心理的な距離をとる(相手にしない、同じフィールドに立たない)
とう2点なのかなと思います。
私は後者の方が大事かなと思っていて。もちろん物理的な距離をとって、自分の目に触れさせない措置をとることは大事なのですが、イタチごっこなところがあるので。完全に遮断できるわけではない以上、それを目にしたときの心理的なケアをしてあげることが大事かなと思います。
誹謗中傷って匿名なのをいいことに、加減もなく暴力的な言葉を投げつける行為じゃないですか。そういう人って基本的に真正面から向き合えない人間だと思います。もしくは、日ごろの鬱憤を知らない誰かに投げつけることで安心している人間か。そんな見ず知らずの相手のいいように使われる必要はまったくなくて。
一歩さがって「あ、そういう人なんだね」と同じフィールドに立たないことが大事だなと思います。
とはいえ、誹謗中傷による自殺なんかも起こってしまっているので、本当に内容が過激になってツライ場合は、法的機関に相談することをオススメします。(相談先は以下③を読みすすめてください)
③顔をさらされてしまった場合の対処法
- 晒されてしまったところの管理者に削除依頼を出したり、警察に相談する。
- 顔を自分の知らないところでさらされるのは、いい気がしない。どのように何に使うのか、了承得るべき。悪い意味で使われると、これも大きく傷つく。
- 警察に動いてもらえなかった時はショックだけどなんとか耐えて自分で削除依頼を行う
- 人の顔が写ってしまった時はスタンプやモザイクなどで隠すように心掛ける。自分が他の人から顔を晒されていた場合は、相手に指摘する。
という意見が出ました。
私個人の意見としては、まずは管理会社に削除依頼を行うことかなと思います。自らの削除要請がなかなか通らないということであれば、法務局に相談してみるのもアリかと思います。
②③共通して、こちらのサイトが参考になると思いますので、見てみてください。
法務省
④ホルモン治療している人は精神ダメージある? どうやって解決してる?
- 人によって副作用は違うと思う。
- MTFの人は、涙もろくなる。FTMの人は食欲が出る。更年期障害も精神的に不安定になったりするので、ホルモン注射でホルモンバランスをあえて崩す事になるので、その人の元の精神が強い弱いもあるので人によって精神ダメージが違うのではないか。副作用に関しても。 (自分はホルモン注射をしていませんが、現在10ヶ月ぐらい生理がなぜか止まっていて、さすがに癌等病気にかかっていないか心配になり、こないだ産婦人科に行きましたが子宮の内部が薄くなっていると言われ意図的に生理を起こす薬をもらいましたが薬によって生理痛や具合が悪くなったりしないか怖くて飲めてません…その時に、病院で生理が止まる事によって骨粗しょう症等になりやすくなると言われました。) 精神ダメージは、その時々の環境や出来事にもよる。
- 更年期障害の経験からもダメージはあるだろう
- 人によって違うので一概には言えないが、治療し続けるつらさはあるのでよく考えてから
- 当事者の話によると、トランス女性は女性ホルモン治療を始めると、涙もろくなるなどの情緒に影響が出ることがある。気分転換を図る、無理をしないなど。
という意見がでました。
私自身がホルモン治療をしているわけではないので、なんとも言い難いですが…。ホルモン的な精神の乱れであれば、一度処方されている病院の医師に相談してみるのも手なのかなと思います。
⑤自分の子供にカミングアウトするタイミング
- 子供によって成長や理解度なども違うと思うので、子供の成長や反抗期、理解度などの様子を見ながら、夫婦間で話し合ったり、自身で考え、良きタイミングで伝える。少しずつ伝えるのもありだと思う。
- 子供のことを思ってるんだよ、大事に思ってるんだよってことを子供に伝える。普段から愛情をもって子供に接しているかによって子供の受け取り方は違うと思う。タイミングは、その子によるし、状況にもよると思う。
- 子供に訊かれた時
- 家族でよく話し合うこと、10歳になってからとか中学生になってからとかではなく、これも家族による、一気に話すのではなく徐々にがいいのでは
- 子どもが質問してきたら誤魔化さずに話す。子どもの年齢や発達段階に応じて話す。子どものことを想っていることを伝える。
という意見が出ました。
ホントそのとおりだなと…。なかなか難しいことだと思うんですよね。子供さんに伝えるのって。結婚して出産したけど、やっぱり自分のセクシュアリティはストレートとは違ったなんてことは結構よくあることで…。そういう戸惑いの相談は受けたことが何度かあります。
でも、ここに書いてあるとおり
- 普段からいかに愛情を伝えて、良好な関係を築くか
- 子供が知りたいと思った時に、いつでも言える心の準備をしておく
- 最悪の事態を想定して、メリットとデメリットを考えたうえで伝える
というのが大事なのかなと思います。子育てしたことがないので、分かったようなことは言えませんが、カミングアウトは何度もしたことはあるので、基本的に考えることは同じかなと。カミングアウトする側もそうですが、受けた側の気持ちを考え、最悪を想定することは大事かなと思います。応援しています。
⑥容姿について言われた時の対処法
- 相手に悪気があって言ってるのか、悪気がなくて言ってるのかにもよって変わってくるが、悪気があって言われた場合は、人の外見をそんな風に言ったり、外見で人を判断する、あなたの心の方がブサイクだよと思えるマインドを持つこと。 服装に気を使うだったり、清潔感を出すなど外見でも改善できたり気をつけられるところは気をつけて自信を少しでもつけたり、自分自身の内面や考え方を成長させて、自分に自信をつけて、自分のことを好きになること。
- 傷つくので、気にしないようにする。その人と少し距離をおく。自分はこういうところが容姿でコンプレックスでって自ら伝えることもありかも。
- 外見で判断してるお前のほうがブサイクだよ。 「自分のコンプレックスは自分自身で改善できる」byローランド
- 「容姿のことをバカにするようなヤツの心がブサイクなんだよ」と伝える。あるいはそう思う。
という意見が出ました。
そうですね…確かにこれって状況にもよるんですよね。たまにいるじゃないですか。職場とかで「お前、もっと女っぽくした方がいいんじゃないか~」とかそんなこと言ってくる人。そういう場合であれば、「そうですよね~でもこれが好きなんですよね~」と言って、スルーするのは手かなと。
セクマイだと性別に関わる容姿に関する発言はストレスになると思いますが、相手に悪意がないことが大半なので、ちょいスルーしたうえで、次もう言ってこられないくらいの返しをするのがベストかなと思います。
もしこれが悪意の場合だったら…これはホントたち悪いと思いますが。。こういう人は基本的に自分自身が容姿に自信がない人なんじゃないかなと私は思っています。もしくは、劣等感がすごく強いか。だからこそ人の容姿が気になるんじゃないかなと。そうじゃなかったとしても、人を容姿でしか判断できない人間はそれまでの人間じゃないかなと思います。距離をあけていいと思います。
私がもし言われたとしたら、昔は多分めちゃくちゃ落ち込んで泣いてましたが…苦笑
今であれば、「ありがとうございます。」と笑顔で言って、そのまま距離を取ると思います。
心の中にまで悪意を届かせてしまうと、自分がしんどいので、表面だけにとどめて無視するといいかなと思います。悪意を持って容姿をバカにしてくる人をあえてステージの中央に立たせずに、脇役にしてもうステージにあがらせないようにする。自分の人生から排除するのが大事かなと思います。
⑦好きな恰好、好きな髪型でいるのに男として見られる。たまたまそれが男っぽいだけなのに。
- 自分はこういう格好が好きなんでと周りに伝える。
- 自分の好きな格好をすればいい。自分らしく好きに生きればいい。
- 私の意見ですが 例えば美輪明宏さんならどう答えるだろうとか、自分が尊敬する人ならどう考えるか、と想像するもいいかも知れません。 私は、自分の好きな作家ならどう書くかとか、気の合う人にネタとして話すところを妄想します。 笑いに転換出来るのが最高だと思っています。
- 堂々とする
- 男に間違われた時は「私女です」と言う。それでも、文句を言う人がいたら無視。「そんな紛らわしい格好をしているからよ」とか。
という意見がでました。
そうですね~うーん。難しいところではありますが。
どうしても男女という概念で見られてしまうことに抵抗があるという方はおられると思います。私も、今は男女どちらでもないという感じなので、気持ちは理解できます。
前は結構「いちいち男女で判断されるのメンド」とかイラっとしてましたが、最近はもう気にならなくなったんですよね。これって「何を言われても自分は自分」という気持ちになれているからだと思います。だから、そういうマインドをつけたらきっと楽になるんじゃないかなと。
男女という二元論で考えている人がほとんどの中で、少しずつ理解は広まっているとはいえ、まだまだモヤッとする場面は多いです。でも、それに反応しているとこっちが疲れてしまうので、「あ~そういうのあるよね~」くらいのスタンスで聞き流す方が楽なのかなと経験上思います。
もちろん故意的に傷つけるような発言は論外ですが…。「自分は自分」という強い自信を持っていきましょう!
⑧自分は男になりたい女。男になりたいのか分からなくなることがある。でも男が好き。
- 色んな場面、例えば仕事場、恋愛、友達関係などのありとあらゆる場面で、女性として扱われたいのか?男性として扱われたいのか?当てはめて考える。 敏感になって考えてみる。
- 好きになった人を好きでいればいい。人間が人間を愛する事ができることって、すばらしいこと。
- 無理に決めずに性別のゆれを楽しむ
- FTMゲイと言うのもいるから、いいんじゃないの? FTMなのか、そうじゃないのかと言うのは、恋愛での立ち位置、職場や学校などで男性として扱われたいのならばFTMではないのか。体験を通して、どんな状態が心地よいかで性自認を決めてもいい。
そうですね~まずは自分を知るところからかなと思います。セクシュアリティは揺らぐ人は結構います。私自身、レズビアンかな~と思っていたところから、FTMかな?を経由して、今は男女どちらでもないと自認しています。
病院で診断を受けたりしているでしょうか?現状がいまいちつかめてないですが…治療を望むのかどうかなど考えることはたくさんありそうですね。
現行法で性別移行となると、性別適合手術が必要となります。すれば元に戻ることはできないので、慎重に考える必要があると思います。どうして、男性になりたいと思ったのか、自分のことを掘り起こしていく作業が必要かなと。
1人で考えるのが難しく、専門的な意見が聞きたいということであれば、性別適合手術のアテンドをしている「G-Pit」さんが相談を受けておられたりもするので、そういうのを活用してみるのも手かなと思います。
男が好きというのは全く変なことではないかなと思います。性自認と性的指向は別の話なので、男性と自認していても、男性を好きになることはあると思います。
まずは、自分のことを知って、「どうして自分は男になりたいのか」というところを考えてみるといいかもしれません。
カムアウトしていない友達と話すのに壁を感じてツライ。恋バナは特に…
- 趣味の話ができる友達や、LGBTの友達を作る。
- カムアウトしていない友達と話すのは自分の本当のところを言えないのが辛い。カムアウトした後も、ある程度の期間はその言った相手によって時間が必要だったりする場合もあるのではないか。
- いろんな友達の形がある。カムアウトできないならそれでもいい。他のいろんなコミュニティに参加する。新たな友達をつくる。
- 恋愛話だけの友人よりも、共通の趣味で繋がれる友人を見つける。職場や学校にいなくても、今はSNSで見つけられる。
という意見がでました。
これはあるあるですよね~確かに私も学生時代はカベ作っていたな~と思います。恋バナは特にキツイ時間でした。好きな人から聞かれる「好きな人いないの?」は超絶困る…!いつもどこか後ろめたい気持ちがあって、ツライんですよね。
もしその友達に本当の自分を出して付き合いたいと思うのであれば、少しずつカミングアウトする方向で考えてみるといいかもしれないですね。日頃の言動を観察してみて、この人たちは受け入れてくれるだろうか…と見極める。そんな感じで。
LGBTの話題を出した時の反応を見たりするのも手かなと。
そうやって、友達に「言える、言いたい」と確信したときに、カミングアウトしてみたら本当の自分を出して付き合うことができるのかなと思います。カミングアウト後に思うのは、やはり壁がない状態で話すのは嬉しいし、楽しいということです。本当に大切な友達であれば、「壁がなく話したい」と思うのは当然だと思います。少しずつ壁が取れていくといいですね。応援しています。
あと、みなさんがあげてもらった意見のように、LGBTの友達を作るというのもいい方法だと思います。いまの友達にどうしても伝える勇気がない、怖いということであれば(私は大学まで言えませんでした)、ネットでLGBTの友達と繋がることで安心感をえられるかなと思います。
なにはともあれ、カミングアウトはしなきゃいけないものでもないし、怖いことは重々理解しています。だから、カミングアウトを推奨するわけでもありません。いろいろと考えたうえで、一番いい選択をとってみてください。
会を終えて…
今回は反省点として、ホントに時間がなさすぎたというところがあげられました。時間配分ミス!!9個は多すぎたなと…参加してくださったみなさん、失礼しました。次回に活かしたいと思います。
そして、毎回アンケートに回答してくださるみなさんに感謝です。こうして沢山考えてくださったことを相談してくださった方に打ち返そうと思います。
こうやって悩みを共有することで、気づくこともありますね。みなさんの話を聞きながら「なるほど~」と思っていました。悩みの多いセクマイであるからこそ、こうして共有することで軽くできたらいいなと思いました。ありがとうございました!
それでは、次回のオンライン交流会は
11月27日(日) 20時~21時30分
「セクマイならではの良かったことを考えよう」
と題して行います。お時間ある方は参加してみてくださいね。
参加はこちらから↓