退職をすると決めてからの職場の方へのカミングアウトシリーズ第2弾。
先日書いた第1弾はこちら!
思った以上の反応をいただき、驚いているところです。ありがとうございます。
人物像の説明が鮮明で愛を感じました。
リンク先の初カミングアウトの話も読ませていただきました。お友達の返事に泣いてしまいました。
などの感想もいただき、ジーンとしました。こうして少しでも誰かに何かが届くというのは本当に嬉しいことだと思います。
さて、今日はそんなカミングアウトシリーズの第2弾です。
さっそく、まいりましょう!
2人目:出身校が一緒で可愛がってくださったエリート警視
2人目は出身校が一緒で可愛がってくださった警視です。
超優秀、昇任試験はすべて一発で通っている超絶エリート。例えるならベジータのような人です。(笑)
本来こんな方と同じ所属にもなったことのない雑魚戦士の自分とが接点を持つことなんてないのですが、出身校が一緒であることから可愛がってもらっていました。
きっかけは、先ほど紹介したカミングアウト記事の第1弾。「シックスパックなイケおじ警視」が紹介してくださったことでした。
こいつ面白いんですよ。
と言ってその方の前でいじり倒してもらったおかげで認知してもらうことができました。(笑)
それからというもの、廊下であったりする度に声をかけてもらい、色々と気にかけよくしてくださっていました。
カミングアウトすると決めたわけ
どうしてこの方にカミングアウトすることを決めたのか。
それは、自分が退職を決めた時に親身になって相談に乗ってくださったからです。
その方は人事関係のトップでもあったので、自分の退職の話は所属に伝えてすぐに耳に入りました。すぐに面接をしてくださり、どうしたのかと理由を聞かれました。
自分はその時、退職する理由をうまく話せませんでした。ただ辞めはするけれども、自分はこの職場で沢山の経験をさせてもらったし、感謝していることを伝えました。
すると、その方は
結構顔は広いから、働き口に困ることがあれば何か力になることが出来るかもしれない。またそういう気になれば、いつでも声をかけて欲しい。
まだ迷っているようであれば、まだまだ迷う時間はある。いつでも撤回はできるから気持ちが変わったら言って欲しい。
と言ってくださいました。
次にやりたいこともハッキリ言わず、退職理由もあやふやな説明の自分にそんな声をかけてくださったことがとても嬉しかったのを覚えています。
それからも、会うたびに「次の就職先は決まったか?」と声をかけてくださるのに、「いや…まだで…。」と歯切れ悪く答える自分。次第に「このままでいいのだろうか」と考えるようになりました。
そして、1人目の「シックスパックなイケおじ警視」にカミングアウトの是非を相談し、「大丈夫、きちんと話せばわかる」と言われたことにより、決断したのです。
カミングアウトした時の反応
話したいことがあるとお伝えしたところ、「最優先で対応します」と言ってくださいました。多忙な方なのに、それだけでありがたかったです。
そして、会議室で面接。退職するか否かの最終決定も年明けにという話だったので、それに合わせての報告でした。
まずは、やはり退職の意志は揺るがないということをお伝えしました。そして、その後次の仕事の話になった時に、カミングアウトしました。
驚いた様子ではありましたが、やはり優秀な方なので一呼吸の間にすべて自分の中に落とし込まれたような感じでした。
そして分からないことを率直に聞いてこられました。
- セクシュアルマイノリティの中でもどれに該当するのか
- 女性が好きということは、男性の心を持っているということなのか
- 完全に男性が無理なのか
- いつごろから自覚したのか
などなど、ストレートに自分の疑問をぶつけてこられました。自分としては、いつもであれば不快に思うかもしれない質問でもこうして「理解しよう」と思ってしてくださる質問は嬉しいものなのだなと知りました。
そしてその中で、自分が退職前に言える人には公表してから辞めようと思うということを伝えたところ、
自分にはよく分からないけども、もしそれをすることで警察で働いている同じセクシュアルマイノリティの人たちが困惑することはないだろうか。もしかしたら、隠して生きたいと思っている人たちにとっては逆に居心地が悪いことにはならないだろうか。
と言われました。
その言葉を聞いた時、「なるほど…。そういう視点はなかったな。」と思いました。やはり頭の回転が速い…すごいなと。自分は公表することでセクマイの認知があがり、より当事者が働きやすくなると信じていましたが、確かにそっとしておいて欲しいという当事者もいるかもしれません。
自分のしようとしていることが、同じセクマイの人たちを苦しめるなら、それは自分のエゴだし…。うーん。
少し考えました。
でも、結果思ったのは自分がやろうとしていることは、あくまで自分のセクシュアリティの公表であって、魔女狩りをすることではない。クローゼットで生きようとしている人を無理にあぶりだして、日の目を浴びさせようとしているわけではないから大丈夫ではないかと。
確かに私が大々的に職場でスピーチするなんてことになれば、クローゼットで生きている当事者は気まずいところもあるのかもしれません。私の話を自分ごととして捉えていると悟られないように隠すことで心を傷める人がいるかもしれない。
セクシュアルマイノリティってそんなにいるんだね…。
もしかしたらアイツもそうなんじゃないの?
という言葉が聞こえてきて、苦しむ人が出るかもしれないなと。そこに関しては結構デリケートな問題だなと思います。
でも、自分はあくまで個別に理解してくれそうな方たちに地道に伝えていく方法で、じわりじわりと認知を広げていくやり方を選んでいるので、他の人が傷つくことはないのではなかと思い、それを伝えました。
すると、
その高い志をうちの職員たちがきちんと受け取ってくれることを願う。応援している。
と言われました。
この言葉を聞いて、やはり少しずつでもカミングアウトを続けていこうとさらに気持ちが固まりました。
セクマイに対する理解はゆっくりとではありますが、こうしてカミングアウトを続けることで警察の中で確実にじわじわと広がっていく。それが大きな変化につながっていき、セクマイ当事者が働きやすい職場環境が作られていくと確信しました。
カミングアウトの後日談
その方から、当日中にLINEが来ました。
こんな下っ端な自分にこんな丁寧な文章…。「力になる」といつも励まし、このときも背中を押してくれ、友人とまで言ってくださることにもう脱帽でした。やはり自分の周りにいる方たちは、あったかい人が多いなと改めて実感させてもらいました。
そして、自分の最後の出勤日の日。ちょうどその方とお会いすることができ、最後の出勤日となったことを報告しました。
すると、その日の夜にこんなLINEが届きました。
これからも「信念を持って頑張れ」今の自分の心にはズドンときました。今持っている「自分らしくイキイキと生きる人を増やす」という心を絶対に忘れない。
そして、やはりこうして応援してくださる方たちへの恩は絶対に忘れない。
バカげた選択も、受け入れ応援してくれる。こんな環境が当たり前と思わず、感謝を胸において進んでいきたい。
今はただ、前を向いて進もう。そう思いました。
カミングアウトをした感想
カミングアウト1人目であるシックスパックなイケおじ警視のおかげで、正直なところそんなに緊張せずカミングアウトすることが出来ました。
やはり、誰かから言われる「大丈夫」は心強いし、なにより同じ年代の人が受け入れてくれたという成功体験があるのは大きかったと思います。
今回も記事を書いていて、なんだかジーンとしました。周りに恵まれていることに感謝しかないなと。
また3人目以降の記事も書いていきますので、ぜひ読んでみてください!
それでは、また!